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【欧州サッカー】トライアウトで契約を勝ち取るポイントとは『前編』

サッカーコラム
2020年6月18日

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プロ、アマチュアに限らず、多くの選手が経験をするトライアウト。

特に海外の場合は不確定要素も多く、体力的にも精神的にもタフさが求められる。

中には

「チームが見つからなかったら帰国。」
「ダメだったら選手は引退しよう。」

と自分のサッカーキャリアを賭けて勝負に行く選手もいるだろう。

おそらく「絶対にこうやったら契約できる」という方法はない。

しかし、先駆者から学ぶことはあるはずだ。

今回は「トライアウト」にフォーカスをして、ヨーロッパで活躍する2人の選手に話しを聞いた。

(全2回)

(Design by @yu_ta_ro_97

周りからどう思われるか考えきれていない選手は多いかも

──まず、上手くいったトライアウトとダメだったトライアウトの違いはありますか?

岸本青空(以下 青空) チームに馴染めているか否かというのはありますね。

プレーヤーとしてのレベルはもちろん、言葉、雰囲気、キャラとかも含めて。

もう一つは自分だけの問題ではないということです。

需要と供給のバランスじゃないですけど、必要とされていないチームに行っても良い結果は得られないと思うので。

大野嵩仁(以下 大野僕も需要と供給については納得です。

僕はCBなのですが、CBがすでに五人いるチームにはそもそも練習参加すらしませんでした。(画像:Pixels)

──スペインやドイツには多くの選手が毎年来ますが、周りを見ていて感じることもありますか?

青空  自分しか見えていなくて、周りからどう思われるかまで考えきれていない選手は多いかもしれません

とにかく自己中心的にドリブルをして、全部自分でシュート打つとか。

アピールしたい気持ちはわかるけど、パスを選択する方がいいシーンもあったりする。

そういう方が、スペイン人からも「サッカーわかっているな」って見られる。

だから駆け引きとか、見せ方が上手ではないなと感じることはあります。

──見せ方でいうと、トライアウトのコツとかはありますか?

大野 個人的に大事だなと思ったのは「火曜日の練習」です。

僕はシーズン中にトライアウトに行ったのですが、ドイツは日曜が試合、月曜日がオフ、火曜からまた始まります。

火曜日の練習では、紅白戦とかミニゲームの時、(リカバリーで)スタメン組が外れることがあります。

すると必然とベンチ組の選手とプレーすることになり、かつ監督やヘッドコーチも見てくれます。

ベンチ組の選手はスタメンの選手に比べると落ちるので、良いパフォーマンスを見せることができる可能性も高いですし、ひとつアピールのチャンスなのかなと。

あとは、ゲームをする時は名前をすぐに聞き、プレー中に名前を呼んで、右とか左とか簡単な言葉を使い、しっかりと指示することは意識していました。

後日談ですが、トライアウトの時に、試合で勝ったら名前を読んでハイタッチをしたり積極的に輪に入るようにしていたのですが、監督にそこがよかったと言われました。

意外なところですがそういうところも評価されるんだなと。

 

持ち味を出すタイミングを考える

(本人提供:@1018Baggio

──アピールしたくなる気持ちも分かりますが、トライアウト期間中の練習や試合で大事なことは何だと思いますか?一概に言うのは難しいですが。

青空 見せすぎないって話しで、「どれだけサッカーをわかっているか」はすごく大事かもしれません。

大野 僕も青空さんの話しと近い意見を持っています。もしかしたらスペインの方が「サッカーを理解しているか」にシビアかもしれませんが。

青空 シビアですね。

大野 ドイツの場合はスペインに比べるとシビアではないかもしれませんが、状況判断はマストです。

1対1とか、チャンスが50/50のシーンでは自分でチャレンジするけど、2体1だったらパスするとか。

青空 あとはその中でどう自分の武器を見せるのか。

よく言われることですが、いかに自分の長所をアピールできるかは大事です。

──日本人は持ち味を出すのが苦手な印象もあります。

青空 確かに平均になってしまう選手は多いかもしれません。

大野 持ち味を出すタイミングが整理されていない選手も多いかも。

(下部リーグの場合)ドイツ人よりも技術もあり、すばしっこいし、能力も高い。

でも、仕掛ける時に、迷った挙句ドリブルして取られるとか、自分のストロングポイントを生かしきれていない選手は多い印象です。

チームが勝つことを意識する

(画像:Pixels)

──選手によって全く違うと思いますが、日本人の強みとか、意識すべきポイントはありますか?

青空 勤勉さはポイント高いですよね。

練習から100%でやるとか、走って戻るとか守備を頑張るとか。

意外とスペイン人はそういうの苦手なので、物凄い強い長所がなくても、「おっ」と思ってもらえる可能性はありますね。

大野 攻撃の選手だとスピードとか、俊敏性は武器になると思います。

勤勉さと近いですが、切り替えや守備で戻るとか、当たり前のことを愚直にできる選手はやはり評価高くなるはずです。

ドイツ人も苦手というか、あまり走りたがないですからね。

よく言えばサボるのが上手というか。笑

加えて、さっきもチラッと言いましたが「コミニュケーション」です。

ドイツ人の中で日本人はシャイなイメージが強いので、それをいい意味で払拭できると評価は上がると思います。

前提が低いので逆にチャンスというか。

(本人提供@kmrtyh

自己中に走らないという点では、普通にプレーするのも大事。

ワンタッチでプレーできるならするし、僕は自分がというよりチームが勝つことを意識します

ミニゲームとかでもドイツ人はめっちゃ、勝ちにこだわるんです。

「俺らのチームが何回勝った」みたいな。

攻撃の選手でも、フリーなら仕掛けていいけど、無理はしすぎないというか、そも柔軟性も持ってるといいと思います。

──青空さんの話しと近いですね。

青空 どこで見せるのかは大事ですね。

あとは、ミスも絶対出てくるので、引きずらず、弱気にならないのも重要。

ミスはみんなするので、その場で切り替える。

普段以上のプレーはできないので、メンタルの面で言えば自分のできることに専念する。

自分が合格できるかを心配しても、それは監督が決めることなので自分にコントロールできないわけですし、ベストを尽くすことに集中するといいと思います

(画像:Pixels)

大野 ドイツってトライアウト中の選手のミスについては、「人殺したんか」ってくらい言われることがあるんですけど、スペインってどうですか?

想像以上にドイツは色々言われます。

青空 いますね…そういうやつはほっとくしかないです。笑

切り替えて次のプレーで見返すとか、性格がいい選手ばかりではないので。

(明日に続く。)

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