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プロ、アマチュアに限らず、多くの選手が経験をするトライアウト。
特に海外の場合は不確定要素も多く、体力的にも精神的にもタフさが求められる。
「周りからどう思われるかまで考えきれていない選手は多いかもしれない。」
など、前回はトライアウトのコツや意識するべきことについて客観的な意見がいくつか出てきた。
今回は、視点を変え、”メンタルや代理人の重要性”、”失敗談”などに踏み込んいく。
(Design by @yu_ta_ro_97)
──メンタルの重要性が出てきましたが、精神的に落ち着いてトライアウトに臨むための準備とかありますか?
青空 慣れですね。笑
「海外」や「トライアウト」に対してもそうですが、全部慣れです。
最初とか、チームメイト全員外国人で言葉もわからないと緊張する。
そこでいかにメンタルを強く持てるか。
あとはそれが当たり前になればいい。
経験しかないです。
(本人提供:@1018Baggio)
──18歳でスペインに来て、最初に参加したチームは初日でダメだったと言ってましたが、その時はメンタルどうでした?
青空 めっちゃやられましたね。笑
日本帰りたかったですもん。笑
緊張して、体カチカチで、普段できることは全くできずでした。
──大野さんはトライアウトの思い出はありますか?
大野 僕は留学会社などを利用していなかったので、最初は友達のいるチームに練習時間を聞いて飛び入りで参加しました。
トライアウトの初日は練習場まで行って、クラブハウスの前を3往復くらいした記憶があります。
もう怖くて。笑
でもそこからメンタルをリセットというか、「どうせダメでもこいつらとは一生会うことないわ」と割り切りましたね。
最初にロッカールームで「お前誰や」と言われ、変な日本人がいるとめっちゃ見られたので、「メールしかけど、返信こなかった。」と切り抜けたのはい思い出です。笑
最終的にそこのチームとは契約できたのですがよかったですが。笑
──すごいエピソードですね。(笑)
1人での練習参加の難しさに関連すると、ヨーロッパの下部リーグにおいてもエージェントの有無は大事ですか?
青空 かなり大事です。
コネクションがないとしっかりしたチームには入れないし、実力があるけど、実力に見合わないチームでやっている子も見たことあります。
時間ももったいないですよね。
だから代理人の実力は重要。
僕は2年前からスペイン人の代理人と契約していて、今は中国人の方にお世話になっています。
5部から4部に移籍する時も、自分一人だったら結構厳しかったと思いますし、チャンスを逃していたかもしれません。
他の国や地域からのオファーがあったこともありますが、やはり代理人の必要性を改めて感じましたね。
(本人提供:@1018Baggio)
──ドイツだと下部リーグでも、金銭など報酬があるイメージが強いですが、自分で交渉できるもんですか?
大野 はい、自分でやっています。
でも上を本気で目指すなら絶対必要だと思います。
僕はこれまでチームメイトやコーチの手を借りて練習参加にこぎつけてきましたが、練習参加のしやすさは、当たり前ですけど代理人とかに任せた方が絶対いい。
あとは、変な契約をされないというのもあります。
僕は今シーズン、チームで一番試合に出ていたのですが、他の日本人選手より条件が悪かったりとか周りと比較してだいぶ低く見積もられていました。
最近まで知らなかったんですけどね…
あとは4部以降は一人でやるのは難しいですね。
お金の賛否はありますが、30−40万円払って、いい悪いをはっきり言ってくれたり、しっかりサポートしてくれて、ドイツサッカーについてのアドバイスをくれるのであれば、ものすごくいい投資になると思います。
一方で留学会社は本当にたくさんあって、しっかりした会社を見極める必要はありますが…
(本人提供@kmrtyh)
──青空さんは代理人にお金は払っているんですか?
青空 僕はトライアウトのお金や紹介料も払ってないです。
一応、給料が1000€を超えたら何割か払う約束はありましたが、その額を僕はもらっていなかったですし、アマチュアリーグなのでそこからお金を巻き上げるようなことはできないし、しないようです。
スペインは4部以上になったら、基本チームメイトとかもそんな感じで代理人の人はいますね。
(本人提供:@1018Baggio)
──トライアウト期間中のチームメイトとの関係は気にしますか?
青空 距離感とかは見るかな。
スペイン人は明るい人が好きなので、なるべく明るく振る舞ったりとか。
そういう意味では仲良くはなろうとしますね。
──監督とかコーチにも話しかけますか?
青空 いやらしくない程度には話したほうがいいですね。
大野 僕はコミニュケーションは絶対とりますね。
自分から練習終わったら挨拶したりとか。
よっぽどいい選手ではない限り、待ってても来ないので。
積極性は大事です。
(画像:Pixels)
──トライアウトでやらかした経験はありますか?
青空 4部のチームに練習参加した時に、初日の練習に遅刻はしたことはあります。笑
普通に練習の30分前くらいにグランドに着いて待ってました。
なかなか人がこなかったのですが、スペイン人だし、そんなもんかなみたいな。
でも練習5分前になっても誰もいなくて、さすがにおかしいと思って確認したら、違う方の練習場で、速攻でタクシーを拾って行きました。
着いたらみんなランニングしていて、監督に「なめてんのか」ってめっちゃキレられましたね。
言い訳を言うと、そのチームは練習場3つあって、グランドの名前がめっちゃ似ていたんです。笑
次の日からはしっかり一番に行って、そういう奴ではないことはアピールました。
結局合格したので、良かったですけど。笑
大野 遅刻でいうと、同じチームにきた日本人が初日がっつり遅刻してきたことありました。
でも、その選手もめっちゃいい選手で、合格していたので、遅刻はないに越したことはないですが、実力があれば入れるんだなと思いました。
青空 やっぱり実力主義ですね。ヨーロッパは。
(本人提供:@kmrtyh)
──実力主義に付随すると、ヨーロッパのチームってユース上がりの選手とか大事にしますよね。
青空 あります。
やはりクラブは下部組織の選手とか大事にするので、実力が同じだったら、クラブにゆかりのある選手を獲ります。
外国人は助っ人なので違いは見せないと厳しいですね。
──いいプレーできたけど結果がが出ないかったり、下部組織の話しもそうですが、実力以外の物差して測られることもあります。ダメだった時の切り替え方とかありますか?
青空 それは仕方ないです。
すでに他に選手をとっていたかもしれないし、違うスタイルの選手を監督が欲しがっていたかもしれない。
切り替えるしかない。
もちろん実力が足りなかったかもしれないし。
また練習して、チャレンジすればいい。
大野 そうですね。切り替え大事ですね。
ドイツとかめちゃくちゃチームあるので
青空 やっぱりそれって海外の魅力。
チーム数が本当に多いのでダメでも次、次って行ける。
日本だとチームを変えるハードルが少し高い印象も受けるし、移籍もあまりいい風に捉われないこともあります。
大野 ドイツとかさくっとチーム変えますね。
出れないなら、違うチーム行こうって。
実際、6部で試合に出れたいなかった選手が、5部で試合に出ているってこともある。
4部と5部の差はありますけど。
青空 ヨーロッパは本当に裾野が広いですが、レベルが上がると一気にきびしくなりますからね。
(画像:Pixels)
──最後に今後海外を目指す若い選手や、夏にトライアウトを控えている選手にアドバイスをください!
大野 コロナとかで渡航が遅れたりとかもあるかもしれませんが、今できることをしっかりやってほしいです。
コンディションもそうですが、スペイン語でもドイツ語でもその国のサッカー用語をしっかりと使えるようにしておくとか。
具体的には名前を聞けるようにしておくと便利。
あとはメンタルを鍛えると言うと抽象的ですが、チームは無限にあるので、一度トライアウトでダメだったりしても、切り替えるというか、その心構えが大事かな。
青空 今はネットやSNSなど情報はいくらでもあります。
しっかり自分なりに正しいものを見極めて、いい準備をして、頑張ってほしい。
僕は今25歳ですがこうしてチャレンジしているし、合否関係なく学べることもあるので、サッカーも私生活の面でも、とにかく一生懸命にやってほしいです。